アメリカでは、20年後には今ある職業の
50%はなくなると言われています。
もちろん、日本人にだって人事ではありません。
テクノロジーの進化が社会にもたらすインパクトに、
もっと注意を払わねばならない時が来ているのです。
最近何かと話題になっている「機械との競争」という本ですが、
MITで経済学を研究している、エリック・ブリニョルフソンと
アンドリュー・マカフィーによる共著で、アメリカでは
2011年に出版されたものですが、日本では2013年まで
翻訳されませんでした。
こういうことがある度に、英語が読めるか否かで情報格差が
生まれてるんだなあと実感します。
彼らはコンピュータやIT産業の発展が
人間の社会に与える影響を危惧し、
・テクノロジーは、これからますます、どんどん発達する。 ・今まで機械に出来なかったことが、機械にも出来るようになる。 ・単純な事務仕事やサービス業の多くなど、 中程度のスキルが要求される仕事の多くは、機械に取って代わられる。 ・人間に残される仕事は、創造的な仕事と肉体労働のみ。 ・勝者総取りの格差社会がこれまで以上に進行する。 ・人間は機械と競争しても勝てないから、 機械をうまく使うことを考えていくべき。 ・そのためには、教育を改革し、起業の障壁や規制を撤廃する必要がある。 |
といったようなことを、さまざまな
具体例を挙げながら述べています。
本書が執筆された時点では、被験者がコンピュータもしくは人間と
チャットをし、相手がコンピュータであるか否かを予想する
「チューリングテスト実験」で合格点を出したコンピュータは
現れていなかったので、コンピュータは人間らしい会話が
苦手である、と結論付けられています。
ところが、2014年6月8日、イギリスのレディング大学が開催した
「Turing Test 2014」において、ついにチューリングテストに
合格するスーパーコンピュータ「Eugene(ユージーン)」が現れ、
話題になりました。
もっとも、Eugeneが本当に合格したと言えるのかどうかという点に
ついては反対意見も多いようですが、人工知能がこの3年間で大きな進歩を
遂げたのは、ほぼほぼ間違いないでしょう。
一度加速した進化は容易には止まりません。
テクノロジーに飲み込まないよう、個人や組織が
変わらなければならない時代に差し掛かっているようです。