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2014年9月27日土曜日

書評:「機械との競争」を読みました



 アメリカでは、20年後には今ある職業の
50%はなくなると言われています。

もちろん、日本人にだって人事ではありません。
テクノロジーの進化が社会にもたらすインパクトに、
もっと注意を払わねばならない時が来ているのです。




最近何かと話題になっている「機械との競争」という本ですが、

MITで経済学を研究している、エリック・ブリニョルフソンと
アンドリュー・マカフィーによる共著で、アメリカでは
2011年に出版されたものですが、日本では2013年まで
翻訳されませんでした。
こういうことがある度に、英語が読めるか否かで情報格差が
生まれてるんだなあと実感します。

彼らはコンピュータやIT産業の発展が
人間の社会に与える影響を危惧し、

・テクノロジーは、これからますます、どんどん発達する。
・今まで機械に出来なかったことが、機械にも出来るようになる。
・単純な事務仕事やサービス業の多くなど、
 中程度のスキルが要求される仕事の多くは、機械に取って代わられる。
・人間に残される仕事は、創造的な仕事と肉体労働のみ。
・勝者総取りの格差社会がこれまで以上に進行する。
・人間は機械と競争しても勝てないから、
 機械をうまく使うことを考えていくべき。
・そのためには、教育を改革し、起業の障壁や規制を撤廃する必要がある。

といったようなことを、さまざまな
具体例を挙げながら述べています。

本書が執筆された時点では、被験者がコンピュータもしくは人間と
チャットをし、相手がコンピュータであるか否かを予想する
「チューリングテスト実験」で合格点を出したコンピュータは
現れていなかったので、コンピュータは人間らしい会話が
苦手である、と結論付けられています。

ところが、2014年6月8日、イギリスのレディング大学が開催した
「Turing Test 2014」において、ついにチューリングテストに
合格するスーパーコンピュータ「Eugene(ユージーン)」が現れ、
話題になりました。

もっとも、Eugeneが本当に合格したと言えるのかどうかという点に
ついては反対意見も多いようですが、人工知能がこの3年間で大きな進歩を
遂げたのは、ほぼほぼ間違いないでしょう。

一度加速した進化は容易には止まりません。
テクノロジーに飲み込まないよう、個人や組織が
変わらなければならない時代に差し掛かっているようです。

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